相続問題 2020.7.30
遺言作成を考えている方へ
遺言作成を考えている方へ
- 自分が亡くなった後に遺産でもめるのを防ぎたい
- 遺言を残したいが、書き方がよく分からない
- 大きな財産があるわけではないが、遺言を書いてよいのだろうか
テレビや雑誌などで、遺言が取り上げられることがあります。相続をめぐる争いを防ぐために遺言が役立つと知っても、いざ自分が遺言を書くとなると、ためらう方も多いでしょう。
また、そんなに多くの財産があるわけではないので、遺言を書かなくても相続人が仲良く分けてくれるだろうと期待する方もいるでしょう。
しかしながら、ご自身が死亡した後、ご自身の思いを伝える手段となるのが遺言です。相続人に仲良く遺産を分けてほしいのであれば、そのように財産を分けるよう遺言を残しておけば、相続人にとっても遺産を分けやすくなるでしょう。
実際に、遺言があれば、相続人間の不要な争いを防げたのではないかと思われる事例は少なくありません。
遺言の特徴
遺言は、ご自身の意思で残すことができます。遺言を作成するために、相続人となる子どもらに事前に承諾をもらう必要はありません。遺言は、ご自身で考えたように財産を相続させることができるものになります。
ただし、遺言は死亡後に効力が生じるものです。そのため、遺言者の真意を確認できないこともあり、正確に意思が伝わる内容にする必要あります。
また、遺言を作成する際は、法律上の要件を満たさなければなりません。
遺言を作成できる人
法律では、15歳に達した者は遺言を作成できると定められています。
遺言を有効にするには、遺言内容を理解して、遺言の結果を認識できる能力(遺言能力)が必要になります。高齢者や認知症の方などは後日、遺言能力の有無が争われるケースもありますので、遺言作成時には注意が必要です。
遺言書の作成を進める理由
遺産分割なしで相続手続きができる
有効な遺言書で、相続財産の遺産分割方法を指定すると、相続人間で改めて遺産分割の話し合いなどを行う必要はなく、遺言の内容に沿った相続を実現できます。
相続人間で話し合いが難しかったり、きちんとした話し合いが期待できなかったりする場合には、遺産分割協議などをせずに、相続手続きが行えるメリットがあります。
相続人間の紛争を防止
被相続人が再婚しており、先妻の子と再婚相手との関係が悪い場合などは、相続財産をめぐって争いが発生する可能性があります。
被相続人に子どもがいて、きょうだい間の関係が悪い場合なども、遺産分割協議を円滑に進めるのは難しく、遺産の分け方をめぐって関係がさらに悪化するおそれがあります。
これらのケースでも、遺言で遺産の分け方を決めておくことで、相続人間のトラブルを防ぐことが期待できます。
思いに沿って財産を分ける
財産は、自分が生涯をかけて築いてあげてきたものや、先祖から受け継いできたものです。その財産をどのように分けるべきかについて、頭を抱えている方もいるでしょう。自分で考えた結論を遺言にすることで、自分の思いに沿って財産を分けることができるのです。
最後に
遺言の作成については、専門家が本やインターネットなどでさまざまな情報を発信しています。実際のところ、人間関係が良好で、ご自分でしっかりと考えて遺言を作成できる方は少ないのではないでしょうか。
遺言に対する考え方や財産の内容、人間関係などは人それぞれです。家族への最後のメッセージを残し、円滑な相続を実現したいと考える方は、弁護士に相談してはいかがでしょうか。
当事務所では、相続をめぐる争いを未然に防ぎ、満足のいく遺言が作成できるよう、尽力させていただきます。