交通事故 2019.7.30
意外と知らない「家事休業損害」とは?
意外と知らない「家事休業損害」
交通事故の被害に遭って、交通事故によるけがが治癒するか、症状が固定するまで不十分な就業を余儀なくされ、その間に得られなくなった給与や収入などの損害を「休業損害」と言います。
会社員などの給与所得者であれば、基礎収入に休業期間を掛けて計算されます。有給休暇を利用した場合も休業期間に含まれ休業損害が認めれます。
主婦などの家事従事者にも休業損害が認められる
以前は、主婦などの家事従事者は実際に収入を得ていないことから、休業損害が認められないと考えられていました。
家事労働(炊事・洗濯・掃除や子どもの世話など)は、給与などのお金が支払われるものではありません。しかし、現在は財産的な価値があるものとして考えられており、交通事故によるけがで家事従事者が休養した場合には、休業損害が認めれています。
女性の平均賃金から算定
古い裁判例では、家政婦の平均賃金を家事従事者の休業損害の参考とすることが合理的であるとしたものもありますが、一般的には、賃金センサスの女性平均賃金(全年齢)を基礎に算定されます。
有職主婦(お仕事をされている主婦)の場合
現実の収入と賃金センサスの女性平均賃金を比較し、高い方を基礎収入として算出します。現実の収入の方が高ければ、現実の収入が基準になり、賃金センサスの女性平均賃金の方が高ければ、賃金センサスの女性平均賃金が基準になります。
示談の案内に記載がなくても、相談を
保険会社からの示談金額の一覧を見ると、家事従事者であっても休業損害が記載されていないことがあります。交通事故によるけがの治療のために入院や通院をして、家事労働に支障が生じた場合には、家事労働に関する休業損害を請求しましょう。
保険会社との交渉が難しい、適正な家事労働の休業損害額が分からないという場合は、気軽に弁護士に相談してください。